石膏などにより原型を作り、その上に麻布を漆で
貼り固め幾重にも重ね、原型を取り除いて堅牢な
素地を作る“乾漆”(かんしつ)の技法。
自由な形を作ることが可能で、古くは奈良時代の
仏像や戦国時代の甲冑にも使われている伝統的な
漆の技法の1つです。興福寺の阿修羅像はよく知
られています。
作家はこの乾漆の技法を得意とし、いくつかの曲
面で構成されたフォルムを作っています。和紙を
用い、金属粉や色漆を使った表面は、複雑なマチ
エールが際立ち、記憶の奥をくすぐるような深い
色彩を生み出しています。漆を重ねることで、漆
ではないような斬新な、しかしやわらかなテクス
チャーが誕生しました。
今回は、面と面との連なり、または表情を対比さ
せて構成するなどした、オブジェ、壁面作品、
花器、小筥(こばこ)、片口やぐい呑などの器類
などをご紹介いたします。
“塗りの技術的追求と前衛的造形”という難しい
関係も見事に両立させており、2019年には、
ハイブランドのロエベの「LOEWE FOUNDATION
CRAFT PRIZE 2019」のファイナリストに選出
されました。
貼り固め幾重にも重ね、原型を取り除いて堅牢な
素地を作る“乾漆”(かんしつ)の技法。
自由な形を作ることが可能で、古くは奈良時代の
仏像や戦国時代の甲冑にも使われている伝統的な
漆の技法の1つです。興福寺の阿修羅像はよく知
られています。
作家はこの乾漆の技法を得意とし、いくつかの曲
面で構成されたフォルムを作っています。和紙を
用い、金属粉や色漆を使った表面は、複雑なマチ
エールが際立ち、記憶の奥をくすぐるような深い
色彩を生み出しています。漆を重ねることで、漆
ではないような斬新な、しかしやわらかなテクス
チャーが誕生しました。
今回は、面と面との連なり、または表情を対比さ
せて構成するなどした、オブジェ、壁面作品、
花器、小筥(こばこ)、片口やぐい呑などの器類
などをご紹介いたします。
“塗りの技術的追求と前衛的造形”という難しい
関係も見事に両立させており、2019年には、
ハイブランドのロエベの「LOEWE FOUNDATION
CRAFT PRIZE 2019」のファイナリストに選出
されました。